1. 総括

Qwen3.8-27Bは、Qwen3.5のアーキテクチャを基盤とした27Bパラメータのデンス型ビジョン・言語モデルである。Hugging Face モデルカードによれば、コーディングや研究、エージェントタスクにおいて前世代から大幅な性能向上を実現している。

ネイティブで画像および動画の理解に対応している。思考制御も備える。

量子化版の性能については、4-bitのQ4_K_Mでは特定のベンチマークでフルモデルと同等の性能を維持できることが報告されている。一方、1-bitでは性能が著しく低下する。

コミュニティでは、Mac Studio等での実用性や、出力の冗長性、推論速度といった性質について議論されている。思考制御のデフォルト設定がトークン消費に与える影響についても言及されている。

2. ブンリンベンチ(ブンリンラボ独自テスト)

当ラボ独自の機械採点ベンチ「ブンリンベンチ」(出力契約・事実保持・指示追従・コードの罠など 7 部門)をローカル実機で実施した結果。手法はブンリンベンチについてを参照。

実測対象 試験版 総合 契約 数字 制約 伝聞 コード 非捏造 表題 速度 実測日
qwen3.8-27b-mtp(MacBook Pro (M5 Max, 128GB)) ijiwaru-v1 35/41(85%) 2/3 9/9 3/6 3/3 11/11 5/5 2/4 49.1 tok/s 2026-09-03

実測環境:

  • qwen3.8-27b-mtp — モデル: root4k/Huihui-Qwen3.8-27B-abliterated-oQ6e-mtp(MLX 版)。ランタイム: oMLX 0.6.4 (mlx 0.32.2, mlx-lm 0.31.3)。サンプリング: temperature 1 / top_p 0.95 / top_k 20 / min_p 0.08 / presence_penalty 0

3. 各種ベンチマーク

Hugging Face モデルカードに掲載されている数値は以下の通りである。

カテゴリ ベンチマーク Qwen3.8-27B Qwen3.6-27B Qwen3.7-Plus Muse Glimmer-30B Opus4.6 Max
Coding Terminal Bench 2.1 73.0 63.4 64.0 51.7 78.2
Coding SWE-bench Pro 61.7 53.5 57.6 51.2 53.4
Coding NL2Repo-Bench 42.3 36.2 41.1 -- 47.6
Coding DeepSWE 1.1 42.2 13.3 14.2 -- --
Coding QwenSWEBench 79.0 49.3 59.2 -- 63.8

また、Artificial Analysisによる評価結果は以下の通りである。

指標
Intelligence Index 52

4. 公式の発表

  • Hugging Face モデルカードによれば、Qwen3.8はQwenファミリーの中で最も能力の高い世代であるとしている。
  • 同カードでは、Qwen Cloudによるホスト版の提供が「coming soon」と案内されている。

5. 実際の性能(コミュニティ評価)

Artificial Analysisは、同モデルがIntelligence Indexで52を記録したと報告している。一方で、出力が非常に冗長であることや、推論速度が47 tokens/sと低速である点も指摘された。

Hacker Newsの報告によれば、17GBのQ4_K_M量子化版はTerminal-Bench 2.1においてフルモデルと同等の性能を維持する。これにより、RTX 4090などの24GBビデオメモリを持つ環境でも、約64kトークンのコンテキストを保持したまま動作が可能だ。しかし、1-bitでは性能が著しく低下する。

Simon Willisonは、LM StudioなどでQ4_K_M版を試用した結果、デフォルトのreasoning_effort(xhigh)設定では、些細な問題に対しても大量のトークンを消費してしまうと述べている。

Terminal Bytesによれば、Mac Studioにおいてメモリ常駐によりスムーズな動作が可能であるという。同サイトでは、モデルがRSSフィードの要約やPDFのファイル整理といった日常的なタスクに活用されている事例が示された。

Redditのユーザーは、スクリーンショットを用いた自律的なコーディング能力の向上を述べている。また、Redditのユーザーは、Q4量子化版を用いてMinecraftのクローンを作成した事例を報告した。

llama.cppのリリースでは、KVキャッシュの復元に関する最適化が報告された。これにより、非連続なセルの復元にかかる時間が大幅に短縮される。また、引数 --tensor-read-lazy--lazy-mode に変更された。

Redditのユーザーは、特定のファインチューン版において思考時間の短縮が性能低下を招いたと指摘する。一方、Redditのユーザーは2枚のR9700を用いた環境での速度について言及した。

また、Redditのユーザーはrepetition_penalty=1.0の設定について議論している。

6. おすすめパラメータ

  • Hugging Face モデルカードに記載されている設定は以下の通りである。
    • thinking mode: デフォルトでオン。リクエスト単位で無効化が可能。
    • reasoning_effort: 推論の深さを調整する。
    • preserve_thinking: 履歴メッセージからの推論コンテキストを保持する。

7. 情報源