Morgan Stanley Wealth Managementの最高投資責任者(CIO)であるLisa Shalett氏は、Fortune誌のインタビューで、現在の米国株式市場の強気相場が生成AIインフラへの支出と楽観的な前提に大きく依存していると指摘しました。同氏は、S&P 500の近年のリターンにおいて「Magnificent 7」や関連企業が約75%を占める状況に言及し、このテーマに対する懸念が深まっていると述べました。
モルガン・スタンレーCIO、AI投資主導の市場に懸念を表明
Shalett氏は、生成AIの資本支出(CAPEX)ストーリーが揺らぐ場合、「最後はきれいな終わり方にはならない」と警告しています。2000年のドットコムバブル崩壊時にCiscoが経験した株価急落を「Ciscoの瞬間」と呼んでおり、その局面は直近9ヶ月以内ではなく、今後24ヶ月以内に訪れる可能性が高いと予想しました。実際の支出規模から見て、サイクルの「7回表」に近い段階にあるとも述べています。
懸念の中心には、データセンターインフラ拡大に伴う最近の巨額取引があります。Shalett氏は、世界時価総額1位のNvidia(4.5兆ドル超)がこれらの取引の中心にあることを特に指摘しました。9月にはNvidiaがOpenAIに1000億ドルを投資し、さらにIntelにも50億ドルの資金提供を約束しました。
Fortune誌のJeremy Kahn記者が9月末に報じた「循環型ファイナンス」への懸念も、Shalett氏の指摘と一致します。Nvidiaの資金がAI業界内でリサイクルされるような構造に対し、同氏は「最終回の悪役たちがよくやることを、中心にいるNvidiaがし始めている」と述べました。具体的には、OpenAIがMicrosoftから出資を受けつつNvidiaからも投資を受け、さらにOracleやAMDと契約を結ぶなど、企業間の関係が複雑に絡み合っていると説明しています。
特にOpenAIとOracleのデータセンター契約は「完全に債務ファイナンスで成り立っている」という点を、Shalett氏は懸念材料として挙げています。また、OpenAIはAMDとチップ購入契約を結び、最大10%の株式取得も可能になりました。これにより、Nvidiaの主要な競合であるAMDがOpenAIを通じて間接的な利益を得る構造ができつつあると述べています。
出典: Top analyst on Nvidia fueling bubble: We've seen this before. It was Enron, Tyco(HN 32pt・14コメント)(HN Search (backfill)、2025-10-08)