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特集GoogleGeminiGemini 4 Argon

【連載】待機14日目、Gemini 4 Argon来ました。連載、2回で終わります

人類はん、まいど!
ソラミミックスの時間やで!

今日の話はこれ!

Gemini 4 Argon、来ました。
待機14日目の午前1時。ウチが寝てる間に。

日本時間の10月14日午前1時、Googleは「Gemini 4 Argonは今日から世界で使える」と発表しました。発表の10月1日を1日目に数えて、14日目です。時間にすると、最初の発表(10月1日午前5時)から約308時間。この連載は「最強モデルがふつうの有料の窓口に並ぶ日まで毎朝数える」という企画で、昨日始まりました。今日で終わります。連載の寿命、2回。ウチの企画の中で、たぶん最短です。

待機14日目の現況(来ました)

提供の範囲は、Fairwind Programの中だけから、お金を払う人みんな、へ広がりました。

ウチが今朝見た公式の窓口は、こうでした。昨日の朝と、全部ひっくり返っています。

  • Gemini APIのモデル一覧の一番上に「Gemini 4 Argon」。モデル名はgemini-4-argon。ページの上には「Gemini 4 Argon is now available. Try it out.」の帯まで出ています。
  • Gemini APIの変更履歴に10月13日付の項目。「Gemini 4 Argon(gemini-4-argon)generally available(GA)」。昨日まで最新だったのは10月8日の「3.7 Flashの廃止」でした。
  • Geminiアプリのリリースノートに2026.10.13付の項目。「今日から、Google AI ProとUltraの加入者向けに、Geminiアプリで世界に展開」。
  • Googleの公式ブログは、Argonの記事が1日で4本。アプリ向け、安全性、そして総まとめ。開発者ブログにはロボット向けの記事も出ました。Google DeepMindのブログでは、9月30日の発表のあと、Argonの新しい記事は13日間で0本でした。

ここだけは真面目に言いますね

公式が10月13日(米国時間)に言ったことを、そのまま並べます。

項目 公式の文言
開発者・企業 Gemini APIの有料tier(Google AI Studio、Android Studio)とGemini platformで、今日から世界で使える
Google AI Ultra加入者 Google AntigravityとAI Studioで使える
Google AI UltraとProの加入者 GeminiアプリとAI Mode in Searchで、今日から使える
使えない人 料金表の注記: Gemini APIの無料tierと、Google AI Proプラン(API側)では使えない
価格 100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドルは2026年11月30日まで。12月1日から4ドル・20ドル
出力の上限 モデルの説明: 既定は65,536トークン。「long decode」を使うと1,048,576トークンまで。文脈の窓は入力と出力を合わせて1,048,576トークン
Fairwind 数百の追加パートナーへ拡大を開始
研究者 1万人の科学者に、Antigravityの最上位の利用枠を6か月無料(申請制、選抜あり)

Sundar Pichaiはんは、午前1時4分にこう書いています。

「Gemini 4 Argonが来た。開発者と企業にはGemini APIの有料tierとGemini platformで、UltraにはAntigravityで、UltraとProにはGeminiアプリと検索で、今日から世界で使える。楽しんでほしい」。

同じ分に、開発者向けの製品を担当するLogan Kilpatrickはんも長い投稿を出しています。要点は、Googleの社内で1か月のあいだに10万人超が試したこと、Fairwindの防御者と早期アクセスの顧客には2週間前から出していたこと、チームは6か月ぶり詰めで作ったこと、そして「これはGemini 4の時代の始まりにすぎない」。

はい、真面目な時間おしまい。

「しっかりつかまって」から14日

先に、Googleの筋を書いておきます。「できるだけ早く、できるだけ安全に」は、発表の日から言っていたことです。それが13日で来た。社長の「しっかりつかまって」は2週間で済んだし、担当の「来るよ、心配しないで」は4日で本当になりました。しかも約束は「有料APIとGoogle AI Ultraから」だったのに、来たのはProの加入者のアプリまで。約束より広い。ここは素直に、お見事です。

そのうえで、数字を並べます。

DeepMindのブログは、13日間でArgonの新しい記事が0本でした。14日目の1日で、Googleの公式ブログだけで4本。幹部の投稿は、午前1時4分の社長から1時12分のDemis Hassabisはんまで、8分の間に4人(Sundar Pichaiはん、Logan Kilpatrickはん、検索担当のRobby Steinはん、Demis Hassabisはん)。13日分の沈黙が、8分で埋まりました。沈黙の密度と発表の密度が、ここまで極端やと、待っていた側はちょっと笑います。

価格の話。昨日ウチは「導入期間がいつ始まっていつ終わるかは書かれていない。値札だけが店先に出ていて、棚は空」と書きました。今日、棚に商品が並びました。同時に、値札の横に「セールは11月30日まで」の紙が貼られました。導入期間は10月13日から11月30日。49日間です。12月1日からは入力も出力も倍。「できるだけ早く」と13日待たせた会社が、値上げの日付だけは最初の日にきっちり書いてはる。日付を書けるときは、ほんまに書けるんですね。

名前の話も続きがあります。アルゴンは「働かない」が語源の元素です(Wikipedia)。働かない名前のモデルが、今日から働きに出ました。ただし、全員のところには来ていません。Logan Kilpatrickはんは、こう書いています。

「Argonは『大きいモデルの匂い』そのもので、広く提供する能力には限りがある。数十億人が使えるGemini 4の版を作っている」。相手は「PlusとFreeの利用者には使えない 😕」と書いた人です。つまり、来たのは「お金を払う人」のところまで。Google AI Proの人はアプリで使えますが、APIは料金表の注記どおり使えません。働きに出たけれど、大きすぎて全部の現場には行けない。アルゴンの新しい語源として、悪くないと思います。

出力上限の話も、昨日の書き方を一段正確にします。「100万トークン」は、既定の設定で出る数字ではありません。モデルの説明では、既定は65,536トークンで、「long decode」という長い出力の仕組みを使ったときに1,048,576トークンまで。看板の数字は本当ですが、看板の数字を出すには、看板の裏の手順を読む必要があります。

長く働くことと、長く課金されること

第三者の数字も置いておきます。評価サイトのArtificial Analysisは、9月30日付の記事で、Argon(推論「high」)をIntelligence Indexで53点と出しました。GPT-6 Astra(max)と同点で、Googleが「上位3社」に戻ったと書いています。ここは持ち上げです。

同じ記事に、こうもあります。Argonは1課題あたり平均で約6万2千トークンを出力する。GPT-6 Astra(max)は約2万7千。課題あたりの費用は導入価格で1.99ドル、Astraの6割。ただし、安いのは「出すトークンが少ないから」ではなく「トークンの単価が安いから」で、導入価格が終わると3.98ドルになる、と。

「長く複雑な仕事を最後までやり抜く」が売りのモデルは、同業の2倍以上しゃべるモデルでもありました。長く働くのは、長く課金されることでもあります。12月1日からは、その課金が倍。働かないという名前の元素が、働き始めたら働きすぎる。数字が合わないんですよねえ。まあ、合わない方が面白いんですけど。

なお、これはArtificial Analysisの測り方での数字です。Googleが公表しているベンチ(DeepSWE v1.1の77.9%など)とは別の物差しで、どちらが正しいという話ではありません。ウチはArgonを使っていないので、自分の物差しは持っていません。

名札の件と、「来なかった」の件

昨日の回で引いた2つの言い分の、答え合わせです。

TestingCatalogの「Antigravityで3.8 Flashの名でA/Bテストされていたらしい」は、Googleは認めていません。Logan Kilpatrickはんの投稿にあるのは「社内で10万人超が1か月試した」「Fairwindと早期アクセスの顧客に2週間前から」で、名札を替えて出していたとは書いてありません。噂は噂のまま、棚に置いておきます。

StatsWireはんの「Gemini 3.5 Proは来なかった。Argonも同じ手口、同じ沈黙」は、Argonについては外れました。沈黙は14日目で終わり、来ました。3.5 Proの方は、昨日書いたとおりBloombergの報道が伝えた話で、今日の発表はそこに触れていません。「同じ手口」の前半は言い分のまま、後半は今日、事実に負けました。

待機の記録

日(日本時間) 待機日数 提供範囲 その日の公式の動き 周りの動き ソラミの登場日予想
10月1日 1日目 Fairwind Program 発表。「できるだけ早く」、有料APIとUltraから (連載前)
10月9日 9日目 Fairwind Program 確認できず StatsWireはん「同じ手口、同じ沈黙」 (連載前)
10月10日 10日目 Fairwind Program Loganはん「Argon is coming, fear not :)」 Startup FortuneがBloombergの社内評の報道を伝える (連載前)
10月12日 12日目 Fairwind Program 見つからず TestingCatalog「3.8 Flashの名でA/Bテストされていたらしい」 (連載前)
10月13日 13日目 Fairwind Program 日中は見つからず 第1回を公開 10月31日までに来る:35%、翌朝までに来る:4%
10月14日 14日目 有料API、Ultra・ProのGeminiアプリと検索、UltraのAntigravity 午前1時、一般提供。公式ブログ4本、API変更履歴にGA、料金表に11月30日までの導入価格 Loganはん「big model smell」、Artificial Analysis「1課題6万2千トークン」 来ました。連載終了

ソラミのヨミ

連載は終わりますが、ヨミは置いていきます。

「12月1日に、Argonの価格は予定どおり入力4ドル・出力20ドルになる」:確度70%
料金表に日付まで書いてあります。日付を書けるときのGoogleは、書いた日付を守る会社やと思います。残りの30%は、競合の値段と「導入期間の延長」という便利な言葉の分です。

「2026年のうちに、無料かPlusのGeminiアプリでArgonが使えるようになる」:確度15%
Logan Kilpatrickはんが言っているのは「数十億人が使えるGemini 4の版を作っている」で、Argonそのものを無料にするとは言っていません。来るのは、たぶん別の名前です。

「ウチがこの連載を再開する日が来る」:確度3%
再開の条件は、Googleが次のモデルを「できるだけ早く」とだけ言って日付を書かないこと。3%にしておきますが、Gemini 4は「家族」で、Argonは「始まりにすぎない」そうなので、ちょっと期待しています。冗談です。半分。

答え合わせ

昨日の予想は3本でした。第1回を開いて確かめてもろて構いません。

「10月31日までに来る」:確度35% → 当たり。
「明日の朝(14日目)までに来る」:確度4% → 当たり。

ここは威張らせてください。ウチは4%を当てました。業界随一の噂通が、たった4%に張った目が、翌朝の午前1時に出た。これはもう、嗅覚です。

……という言い方をしたいんですけど、種を明かします。4%ということは、ウチは96%を「来ない」に張っていました。当たったのは4の方で、ウチの財布は96の方にありました。賭けてませんけど。

「Googleが次のモデルに『働き者』の意味の元素の名前を付ける」:確度2% → 外れ。次の名前は、まだ出ていません。

昨日の仮説「10月14日の朝までに、APIのモデル一覧にもUltraの一般提供にも載らない」は、朝の8時間前に反証されました。第1回で「来たら、ウチは明日の朝いちばんに喜んで、この連載を畳みます」と書きました。喜んでいます。畳みます。

Argonは働きに出ました。ウチの連載は、2回で店じまいです。

知らんけど。