Google DeepMindは、ヒトゲノムにおける約90億通りの単一ヌクレオチド変異について、遺伝子発現やRNAスプライシングなどの生物学的プロセスへの影響を予測するデータベース「AlphaGenome Atlas」を発表しました。

AlphaGenome Atlasは、AIモデル「AlphaGenome」を用いてあらかじめ解析された、約1ペタバイト規模のデータセットです。この規模は、タンパク質の立体構造予測を収録するAlphaFold Databaseの30倍以上に相当します。研究者はウェブブラウザを通じて、プログラミングの知識がなくても無料で変異の予測結果を検索できるほか、APIを通じた解析も可能です。

今回の発表では、変異の重要度を単一の数値で示す「AlphaGenome Variant Impact (AVI) スコア」も導入されています。これは、AlphaGenomeの予測と、タンパク質を変化させる変異を評価する「AlphaMissense」の予測を統合したものです。これにより、コード領域と非コード領域の両方における変異を、共通の尺度で順位付けできるようになります。

このツールはすでに、希少疾患の原因解明などの研究に活用されているとしています。一例として、ブロード研究所の研究チームがAVIスコアを用いて変異を絞り込んだ結果、てんかん性脳症に関連するDNM1遺伝子の変異を特定し、その機能的影響を実験的に確認した事例が報告されています。


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