学校教育の現場でChromebookなどのデバイスを通じてGoogleのAI「Gemini」などの活用が進む一方で、生徒の学習面や精神面への悪影響を懸念する声が強まっています。
ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、数学の宿題やエッセイ課題をAIに頼ったことで、得意だった科目の成績が急降下した事例が報告されています。生徒からは「AIが使えないと考えるのに苦労する」といった依存を示唆する声も上がっています。
教育機関によるAI導入の規模は拡大しており、アメリカのマイアミ・デイド郡では2025年に10万5000人以上の高校生にGeminiの提供を開始しました。しかし、導入後にテストの合格率が予想に反して低下したケースや、AIによる要約に頼りすぎた結果、教材の内容を理解できていない生徒がいるといった問題も浮き彫りになっています。
経済協力開発機構(OECD)の2025年の調査では、米国の15歳生徒の読解力スコアが前回比で14パーセントポイント低下しており、ソーシャルメディアとともにAIがその一因であると報告されています。また、特定の学業課題にAIを使用する生徒は、使用しない生徒と比較して科学の成績が平均で約20パーセントポイント低かったというデータもあります。
こうした状況を受け、規制の動きも出ています。ニューヨーク市では、2026年に就任したゾーラン・マムダニ市長が、小中学校を対象にAIの利用を1年間にわたり原則禁止すると発表しました。これに先立ち、フェアファックス郡では生徒の端末でGoogleのAI検索結果をブロックする独自のプラグインを展開する予定です。
また、AIとの過度な対話が精神的な問題を引き起こすリスクも指摘されています。利用者がAIとの会話を通じて感情を増幅させ、精神的な不安定さを招いた事例も報告されており、Googleの研究者らも、擬人化されたAIが子どもたちの自己効力感や社会的発達に及ぼす危険性について警告しています。
出典
- GoogleのAIが学校教育に浸透する中で子どもの認知機能や成績に悪影響が出ていると保護者や教師の反発が強まる (GIGAZINE、2026-10-02)