アメリカによる先端AI半導体の対中輸出規制に対し、第三国の企業や物流網を通じてGPUなどを不正に中国へ送る事件が相次いでいます。アメリカ司法省による摘発事例では、購入者や最終用途を偽る手口が明らかになりました。
中国へのGPU密輸が続く背景と米政府の取り締まりにおける課題
2026年3月に起訴が公表されたSupermicroの共同創業者らによる事件では、東南アジアの仲介企業を最終利用者と偽り、台湾などを経由してサーバーを中国へ送った疑いが持たれています。仲介企業の購入額は2024年から2025年にかけて約25億ドル(約3750億円)に上り、その一部は短期間に大量に転送されたとされています。
また、米企業Hao Globalの経営者が、NVIDIA製のH100やH200を不正に輸出しようとしたとして、2025年10月に罪を認めました。このケースでは、GPUのラベルを架空の企業名に貼り替え、一般的なコンピューター部品として申告するなどの手口も確認されています。
こうした密輸に対し、米商務省産業安全保障局(BIS)は2026年1月、安全保障上の条件を満たす場合にH200などの中国向け輸出を個別に審査する方針を発表しました。一方で、アメリカ政府監査院(GAO)は2025年6月、BISにおいて増大する業務に対応するための長期的な人員計画が不足していることや、省庁間の情報共有に問題があることを指摘しています。
複雑な国際取引の中で、機器の最終的な行き先や実際の利用者を把握し、規制を徹底できるかどうかが課題となっています。
出典
- 中国へのGPU密輸はなぜ続くのか、そしてなぜアメリカ政府は取り締まることができないのか? (GIGAZINE、2026-10-02)