Anthropicは2026年9月23日、Webサービス版「claude.ai」とデスクトップアプリの利用体験を、2週間で約3倍高速化したと発表しました。同社が公開した開発者向けブログによると、この高速化は2026年8月の集中した取り組みによって実現されました。
今回の改善では、AIモデルそのものの学習ではなく、サービスとしての読み込みや描画、入力処理などのシステム的な側面が対象となりました。改善にあたっては、ベータ版の「Claude Tag」と呼ばれる仕組みが活用されました。これは、Slackのチャンネルに常駐したClaudeが、測定、最適化、デプロイ、監視の一連の作業を繰り返す仕組みです。
Claudeは、ログやスクリーンショットを用いて遅延箇所を特定し、問題確認のためのベンチマークを作成した上で、修正を繰り返しました。このプロセスは150以上のスレッドで同時に進行し、多い日には1日200件を超える改善が実際のサービスに反映されたといいます。
具体的な成果として、claude.aiのWeb版とデスクトップ版において、アプリを開いてから文字入力が可能になるまでの時間が、75パーセンタイルで3.1秒から0.55秒へと短縮されました。また、Claude Codeの新規セッション開始も0.8秒から0.3秒へ、メッセージ送信は0.928秒から0.048秒へと短縮されています。
開発プロセスにおける安全性確保のため、全ての改善プルリクエストは自動レビューを受けた上で、少なくとも1人の人間が承認することが必須とされました。また、利用者に影響する可能性がある変更には、段階的に公開するための「機能フラグ(feature flag)」が設けられ、約200件の機能フラグが使用されました。
出典
- 「Claude」3倍高速化の裏で、Anthropic開発者が「あえてしなかったこと」:899th Lap (ITmedia AI+、2026-10-02)