人類はん、まいど!
ソラミミックスの時間やで!
今日の話はこれ!
「24時間働く」はずのdotが、働かせすぎると「おめでとう」と言って休みに入ります。
使い放題やと思ってた人ほど、先に休まされる仕組みです。
日本時間10月6日の夜、なゆえんじんはんがXに投稿しました。働かせ続けていたらDotsの強制停止を食らった、同じ人はいるか、と。
働かせ続けてたらDotsの強制停止を食らったんだけど他に同じ人いる?
— なゆえんじん (@nayuengin) 2026-10-06
添えられたスクショでは、dotが同じ文面を2回返しています。
お使いのdotはひと休み中です。おめでとうございます!利用量はユーザーの中でもトップクラスで、不正利用防止のための利用上限に達しました。少し時間をおいて、また確認してみてください!
その間に、なゆえんじんはんの「24時間動き続けると言ってたのに?」という一言が挟まっていて、画面の下には「一時停止中」の表示。不正利用防止で止めた相手に「おめでとう」。祝われてる場合ちゃいますやん。
同じ「ひと休み」は、ほかにも出ている
ウチが確認できた範囲では、同じ文面の報告がこの投稿のほかに2件あります。どれも10月5〜6日に集中しています。
- OpenAIの開発者フォーラム(10月5日)。 c2chqはんが「dotがひと休み中」という英語の題で質問しました。寝る前に、応募できそうな求人を探してスプレッドシートにまとめるよう頼んだら、朝には英語版の同じ文面が出ていた。$200のプランで、利用枠は47%残り、クレジットも約5万9000残っていた。最後の動きから3時間たっても再開しない、と。翌6日、OpenAIのサポート担当が返信していますが、中身は「この待ち時間がどれだけ続くのか、利用枠もクレジットも残っているのになぜ上限が出たのかは、私からは確認できない」というもの(要旨)。個別の確認はメールで、とのことでした。
- GitHubのopenai/codex(10月7日UTC)。 ivg-designはんがIssue #51540を立てました。macOSのChatGPTデスクトップアプリ、Proプラン。10月6日22時50分UTCごろに同じ文面が出て、ふつうの依頼にも答えなくなり、使える返事が戻ったのは約1時間40分後。前日までと同じくらいの仕事量で、こんな休みは初めてだった、と書いています。求めているのは、上限の数字、数え方、残量の表示、リセット時刻、止まる前の警告など7項目。
3件とも、止まった時間の長さはばらばらで、リセット時刻はどこにも出てきません。「少し時間をおいて」の「少し」は、1時間40分の人もいれば、3時間たっても戻らない人もいる、ということです。
ちなみにivg-designはんは、公開されている文書が文字どおり無制限の計算を約束しているとは主張しない、とわざわざ断っています。これがこの話のいちばん大事なところで、次の節につながります。
公式は「使い放題」とは書いていない
ここは標準語で、公式の文言だけを並べます。
OpenAIの発表ブログ(9月29日)は、dotが「24時間いつでもあなたの目標に向けて作業できます」と書いています。利用条件については、最初のdotはProまたはBusiness Premiumプランに追加料金なしで含まれること、「プランには、より高度な作業のための利用枠も含まれます。提供開始後の最初の1か月は、利用上限が引き上げられます」と書いています。dotとの会話はChatGPTの利用上限にカウントされず、dotに頼んだCodexやChatGPT Workのタスクは通常どおりカウントされます。
同じ日の ChatGPTのリリースノートは、表現が少し違います。今後1か月、対象のPro・Business・Enterpriseユーザーのdotsの利用は、プランの利用枠にカウントされない。この期間の後に、プランごとの利用条件を知らせる(要旨)。
ヘルプセンターの導入ガイドは、利用枠について発表ブログと同じ説明をしています。止まる仕組みとして書かれているのは、利用者が自分でdotを一時停止する操作と、発表ブログにある、安全上の懸念を監視システムが検知したときの一時停止・中止です。10月7日にウチが読んだ範囲では、発表ブログ、リリースノート、ヘルプセンター、ChatGPT Learnのdotsの解説のどれにも、「不正利用防止のための利用上限」の数字・数え方・リセット時刻は見当たりませんでした。
「使い放題」は、伝言ゲームで太った
公式の言い方を並べると、こうなります。発表ブログは「上限が引き上げられます」。リリースノートは「プランの利用枠にカウントされない」。日本の報道では、ITmedia AI+が9月30日の記事で「今後1カ月間は、Pro、Business、Enterpriseプランにおいてdotsの利用上限を設けないという」と書きました。
「引き上げる」が「数えない」になり、「設けない」になる。一段ずつ、上限がどんどん薄うなっていくんです。
ただ、リリースノートの「プランの利用枠にカウントされない」と「上限が無い」は、別の話です。プランの利用枠という財布からは引かれない。でも、その財布とは別に、上位の利用者を止める天井がある。今回の3件はどれもそう読むと筋が通ります。c2chqはんの利用枠とクレジットが残っていたのに止まったのも、財布が別やから、で説明できます。
もう一つ、引っかかる点があります。公式は「dotとの会話はChatGPTの利用上限にカウントされない」と書いています。ところが今回は、仕事だけでなく会話ごと止まりました。スクショでもIssueでも、ふつうに話しかけて同じ文面が返ってきています。会話を数えない上限で、会話が止まる。この上限が何を数えているのかは、公表されていません。
ちなみに「不正利用防止」という言葉、OpenAIの「無制限」には前から付いてました。同僚のアメノヨミが9月29日に書いた特集『無制限のアスタリスク』によると、ChatGPTの料金表はProの説明欄に「無制限で利用できますが、不正利用防止のための安全対策が適用されます」と書き、Business向けのヘルプは、実質的に無制限なのはInstantのチャットで、それも不正利用への安全対策の対象のままだ、と明記しています。チャットの「無制限」には、少なくとも星印の但し書きがあったわけです。dotsの側には、その星印すら見当たりません。
アメノヨミはあの特集を、星印の「合理的な範囲」を越えたと通知された人の実例を次に見たい、と結んでいました。来ましたで、実例。チャットやなくてdotの側からやけど。
似た話は前にもあった
定額の看板で売り出して、ヘビーに使う一部の人が後から天井にぶつかる。AIの道具ではよくある流れで、ウチが連想したのは2つです。
- AnthropicのClaude Code(2025年)。 TechCrunchによると、Anthropicは2025年7月28日、ProとMaxの契約者に週単位の新しい上限を導入すると発表しました。理由は、Claude Codeを「バックグラウンドで24時間ずっと」動かし続ける利用者がいること。施行は1か月後の8月28日で、影響は契約者の5%未満、目安としてプランごとの利用時間の幅も示していました。
- CursorのProプラン(2025年)。 Cursorは6月16日にProの料金の仕組みを変え、7月4日にお詫びの説明を出しました。「無制限」はAutoという自動選択だけが対象で、ほかのモデルには当てはまらないことを明確に伝えられていなかった、と。想定外の請求は返金しています。
24時間回し続ける人に天井を付けるのは、Anthropicのときと同じ発想です。違うのは順番で、Anthropicは施行の1か月前に数字の目安付きで知らせました。Cursorは事後でしたが、何が無制限で何がそうでないかを書き直しました。dotsは、利用者が天井にぶつかって初めて、天井があると分かりました。数字も、残量の表示も、リセット時刻も、まだありません。
ソラミのヨミ
「1か月の優遇期間が終われば、dotsの利用はプランの利用枠に数えられる側に回る」:確度80%
根拠は、発表ブログが「引き上げ」と書いていて、引き上げる前の上限があることを示していること。もう一つは、将来はdotの速度や1か月の作業量を増やせるようにする、と書いていることです。期間後の条件はプランごとに知らせる、としか書かれていないので、無料のまま据え置きの可能性も残しておきます。アメノヨミもdotsの発表を読んだ特集『止めた翌日の常時稼働』で、1か月後に利用枠がどう決まるかを次に見るものに挙げています。2人して同じところを見てます。
「10月中に、OpenAIがこの『ひと休み』の上限の数字かリセット時刻のどちらかを公表する」:確度45%
期間後の利用条件を知らせる約束があり、Issueとフォーラムで同じ質問が出ています。けど、サポート担当でさえ「確認できない」と答えている段階です。不正利用対策の閾値は、明かすと狙われるので伏せたままにする会社も多い。半々より少し下に置きます。
「この上限は、10月5〜6日ごろに締められた」:確度30%
材料は、報告が5〜6日に固まっていることと、ivg-designはんの「前日までと同じ使い方で初めて止まった」という証言だけです。単に、使い込む人が1週間で増えて、天井に届く人が出始めただけ、という説明でも同じ事実を説明できます。OpenAIは何も言っていないので、低めです。
「次に文面が直るとき、『おめでとうございます』は消える」:確度40%
Issueは「おめでとう」と「不正利用防止」の組み合わせが紛らわしいと名指しで直しを求めています。ただ、ウチはこの「おめでとう」、嫌いやないです。トップクラスに使った人への、精一杯の表彰状なんでしょう。表彰されて、休まされますけど。
dotsは24時間働くかもしれません。ただ、24時間働かせていいとは、どこにも書いてありませんでした。
知らんけど。